ウインチ整備

   アンテナ工事用ウインチの設置と保守の記録 協力者、参考資料など

 ・ウインチの設置

 ・アンテナ作業に必要な機能の改善

JA1PEJ,

<ウインチの設置>

<ウインチの主な仕様>

 

<改造部品探し>

 

<ウインチ改造検討> -自己責任-

アンテナ工事用のウインチをアンテナエリアのほぼ中央に置いて、ワイヤーを延ばせばどのタワーのアンテナ工事にでも使えるように設置した。元々付いていたワイヤーは、30m位しかなったので交換した。巻き取り方向が決まっているので、一番近くにある7メガ用タワーでワイヤーを一旦ガイドして使 ようになっている。アンテナ作業ではアンテナ側での微妙な操作が必要なので遠隔操作ができるように無線リモコン式に改造した。ウインチは新品だと高価なので屑屋さんで中古品を買ってきたが動作上の問題はないようだ。

揚力100Kg、ワイヤー長約100m、モーター容量560W。本来は左官業などで屋根などに材料を持ち上げるときに使われるらしい。殆どのアンテナでは十分使えたが、7メガのアンテナ工事をしたときに重たくて持ち上がらないことがあったので改良した。

1.揚力の向上(150Kg程度)

2.巻き上げスピードの低減(2~3cm/秒程度)

3.リモコン動作の信頼性アップ

アンテナ大型化に伴いウインチの揚力が不足してきた。これまでウインチの巻上げスピードが速すぎて、作業性の悪 さも感じていたので、スピードを下げて揚力アップと使い勝手の改善をすることになった。ギヤー交換などの改造は素人にはできないので、減速機付きのモーターを使うことにした。必要な機材をオークションで探したところ、ギヤードモーターは沢山出品されているが、どれも電源が3相200Vのものばかりだった。仕方ないので単相の100Vから3相200Vが取れるインバータ電源装置も合わせて探すことになった。

 

モーターをこれまでの100V560Wの複巻き式インダクションモーターを200V3相4極のギヤードモーター(ギヤ比1:5)に交換し、スピードを抑えて使いやすさを向上させると共に、モータートルクの向上によって1.5倍から2倍程度の揚力アップを図る。モーターに必要な3相200Vはインバータによって確保する。インバーターを使うことにより、モーターの正転ー逆転操作をインバータの外部制御機能で行えるため、操作の信頼性が大幅にアップ出来そうである。


改造前ウインチ 改造前ウインチと制御リレーBOX  ギヤードモーター  ウインチ本体
 

   
タワー配置図    
 

<ギヤードモーター>

<モーター用インバーター電源>

<モーターの取付寸法>

<取付寸法公差>

出力400W桜進電機製のギヤードモーター(ギヤー比は1:5)をオークションで探した。ギヤー比の可変できるものもあるが、それほどの必要性はないだろうし、構造が簡単な方が故障も少ないだろうと固定式を選択した。これまでのワイヤースピードは、モーターの回転数が1600回/分で 、26m/分なので、今回のモーター交換によって計算上は約5m/分になる。スピードが下がることにより、工事で位置合わせをするとき、微調整が楽々できるので作業性が良くなった。

ギヤードモーターを使うには3相200Vが必要なため、インバーターを使って単相200Vから作り出すことにした。電源容量はなるべく余裕のあるものが故障なども少ないし、動作が安定する。オークションで探したら富士電機製のFVR015という、出力容量が1.5kWのものが見つかった。モーター負荷なので、スタート時にはラッシュ電流によってかなり大きな負荷となるだろうが、出力400Wのモーターで使うには足りるだろうと思う。
インバーターは出力周波数が0から60Hzまで連続で変えられるので、モーターの回転数が調整可能となるうえ、外部からの制御信号で位相を切替られるので、モーター回転の正転ー逆転操作が簡単にできる。また、電圧の立ち上がりや立下り時間もプリセットで制御可能なので、ストップ、スタート時のショックが低減し、作業の安全性が格段に向上する。こんな「魔法の箱」みたいな便利なものを使わない手は無いと思った。

モーターの形状や大きさが違うので、軸の太さや取付位置を合わせる必要があり、あれこれと知恵を絞って考えた。回転軸の寸法違いは、旋盤を持っている人に中継アダプターの様なものを作って貰った。取付位置は、ワッシャーを入れて現場合わせで位置決めをした。

モーター軸の中継には自在カップラーのようなものを探してみたが、寸法の詳細が分かり難くて探せなかった。回転数が低速なので、多少のずれは許容することにしたが、今のところ動作上の問題は生じていない。

 
モーターの取付 インバーターとモーター モーターの取付 モーター軸の様子
 

     モーター台座 台座位置確認 
 
 

ウインチの保守管理

   ウインチの点検と保守管理の記録
協力者、参考資料など

 ・ワイヤーの喰い込み

 ・ワイヤー交換、補修

 

JA1PEJ,

<ウインチ制御リレー>

<ワイヤー交換>

<ワイヤー長120m>

<錆びたワイヤーの補修>

ウインチ操作器の機能を改良した。ウインチはリレーを使ってリモコン化してあるが、作業準備をするとき、連続して回すことがあるので、トグル式操作スイッチつけて、操作器を直接操作できるように改良した。スイッチは跳ね返り型スイッチを使って、現場に人がいないと動かないようにした。異常な負荷状態も回避するような、安全回路も欲しいのだがやそこまでは対応できていない。

アンテナ工事中、滑車にワイヤーが挟まることがあり、ワイヤーが変形することがあったが、我慢して使ってきたが、今回は、ドラムに絡んだことに気づかないまま使い続けたことで、ワイヤーが二重に食い込んで、どうやっても外すことが出来ない程喰い込んでしまった。ドラムを分解してやっと外せたが、ワイヤーがグシャグシャになり、いつ切れるか分からないほど痛んでしまったので交換することにした。

ワイヤーの長さが、エリア内のどのアンテナにも、届くよう全長を120mとした。太さも5ミリから6ミリに替えたので、70mくらいしか巻き取れなくなり、50mほどをウインチ本体にグルグル巻きにして保管することになった。ワイヤーはウインチ本体にグルグル巻きにして保管することになった。

アンテナ工事に備え、外してあったインバーターを接続して動作テストをした。動作はOKだったが、ウインチ本体に巻いていたワイヤーの一部がカバーからはみ出し、長期の雨で錆びてしまった。錆びた部分を切り取って修復したので、長さが15mほど短くなってしまった。ワイヤーには、あらかじめ予想される3個の滑車を通し、吊上げ用のフックをつけておいた。久しぶりにワイヤーのアイスプライス加工をした。


ウインチ制御リレー ワイヤー交換  ワイヤー交換後  
 
 
 
  ワイヤー状況    錆びたワイヤーと交換後のフックの様子
 
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