ARRL Inter. DX Contest, CW 2009/02/21 - 02/23
Operators JA1PEJ,JK2RCP,JF6DEA,JG4KEZ,JE1PMQ,JR8VSE,JG4IQC Multi- Op  2-TX
2009 ARRL Int.DX cw
 ( M/2TX:Clamed)
Band QSO States    
160m 0 0
80m 142 26
40m 688 50
20m 960 58
15m 53 11
10m 0 0
Total 1842 145
Points 801,270
160m 80m 40m 20m 15m 10m
     
All Band All Band Sate of QSO      

   
    JG4IQC on 40m JG4KEZ on 40m JK2RCP on 80m JR8VSE on 40m All of member Antenna

 

<運用の概要> 

総勢7名、この時期としては盛大な参加があり、会を運営するものとしては大いに歓迎すべき今回の運用であった。事前にオペレートを希望するバンドを出してもらい、各自プランを立てて運用する予定だったが、自分は早期リタイヤしたのでうまく機能したのか、どうかは分からない。WW-SSBのときに様子見で参加して以来2回目の参加となったIQCさんは、今回が初めて腰をすえてのオペレートとなった。PMQさんはローカルの強みで様子見兼差し入れをしてくれた。コンディションが低迷するこの時期、Wだけが交信相手では、いささか手持ち無沙汰な時間が生じるのは止むを得ない。手が開いた時間帯を使って会員の親睦が図れればそれもまた楽しいことだ。

 

<設備の状況> 

14メガのリニアが途中で電源が落ちて使用不能になったようだが、ヒューズ交換で復旧した。古い機械なので何が起きても不思議ではなく、レートは落ちてもコンテストが継続できる体制が理想だが、なかなか思ったようには事は進まないものだ。7メガのアンテナが、おりからの季節風で何度修正しても風上を向いてしまい具合が悪かった。ローテーターの容量があまり大きくないので、閉めすぎると壊れるのでどうしてもすべりが出てしまうようだ。

(記:JA1PEJ中村)


 
寄稿資料 

<2009 ARRL-CW 参戦記 JF6DEA/KE1EO:木下司朗>

 この読み物は、アマチュア無線家の皆さんが読まれることを前提に、人名は初出のみコールサインと苗字とし、以降はサフィックスで表記する。また、アマチュア無線界で通常使われる言葉は、そのまま表記した。日時(時刻は数字4桁で表記)は全て JST。

【参加メンバー】
 2009年2月21日(土)~23日(月)の週末に開催された 2009 ARRL-CW Contest に JA1YPA から参加した。今回集結したメンバーは、クラブ会長の JA1PEJ:中村さんに加えて JR8VSE:佐々木さん、JK2RCP:渡辺さん、JG4IQC:吉岡さん、JG4KEZ:宗樂さん、それに私(JF6DEA)の6人。地元の JE1PMQ:菊池さんは、今回はオペレートはできなかったが、いつものようにオペレーター用の「ハイオクガソリン(SパーDライ)」の差し入れを持ってきてもらったので、程良く冷えるよう屋外に置いておいた。PEJ は土曜日の開始~夕刻まで、KEZ は土曜日の開始~日曜日の朝まで、VSE:土曜日の午後~月曜の終了まで、RCP:土曜日夕刻~月曜終了まで、そしてIQC:日曜日朝~夕刻までと各人それぞれのスケジュールでシャックに滞在。今回、コンテストの始終フルオペできたのは DEA 一人だった。

【参加部門】
 今回は設備上の制約と、コンテスト期間中、設備の全てを知る PEJ が常駐できなかったことから M-Ops/2-TXs で参加することにした。

【1日目(土曜日)】
 夜明け前に KEZ と都内を出発し、シャックに 0830 頃到着。PEJ は既に準備を終えて、電波を出すばかり。KEZ の Op で、この時期の定番 14MHz でスタート、西海岸の 5,6,7,0 を中心に QSO を重ねる。他方のリグで 21MHz を聞くが、バンドがオープンしている状況ではない。ダイヤルを回して CA と NM を数局呼びに回ったのみだった。1200 までに 14MHz で 150-QSOs とマズマスの出だし。
 VSE が昼前にシャックに到着。今回、VSE は各バンドの高調波抑制用トラップ・フィルターを持ち込んだので、早速各バンドのリグにセッティング。また、昼間の空いた時間に PEJ が、パンザマストのトップに這わせていたが風で大きく曲がった建設途中の 1.8MHz 用のエレメントを下ろすべく作業を始めた。この日も強い風が断続的に吹いており、大きく撓ったエレメントがなかなか垂直にならない。下で風の様子を見ながら VSE と DEA でステーを操ってエレメントを立て、何とかエレメントをパンザマストに沿わせて固定することができた。結局、今回のコンテストでは 1.8MHz の運用は諦め、PEJ はこの後シャックを離れた。
 午後の 7MHz は 1330 頃から電波を出し始める。QSO はお決まりの西海岸から順番だが、まだヨーロッパを相手にしている筈の東海岸も、W4 や W3 の南の方から呼んでくる。1700 に近づく頃には東海岸が本格的にオープン、K3LR(PA), K1ZZ(CT), K5ZD(MA) などの常連局とも QSO。しかし、昨年12月の Snow Storm で設備に大きなダメージを受けた KC1XX(NH) の電波が聞こえないのは寂しい。強い風は相変わらずで 7MHz の 4el は東方向に流される。度々目視でアンテナの方角を見ながら、ローテーターを西に降ってビームをW方向に合わせる。これじゃ、夜は何処向いているか分からないなぁ・・・と不安を残しつつ日暮れを迎えた。
 RCP もシャックに到着し、1800 前から 3.5MHz にも QRV。トラップ・フィルターを入れているとはいえ、高調波が少々 7MHz にカブるので、派手に CQ は出せない。3el Phased Vertical で送信して AFA-75 で受信、そこそこ聞こえる局は何とか QSO できるものの飛びはイマイチ。バンドエッジで CQ を出している W3LPL(MD) は VSE が何度も呼んでやっと QSO できた。土曜日は主に呼びに回って 21-STATEs と 88-QSOs を重ねる。
 7MHz は、暗い中何度かアンテナの方向を見に行き、ビームがずれてないことを確認しつつ、GEOCLOCK でWの夜明け(グレイライン)の様子を見ながら CQ を出す。夜が更けるに連れて風はだんだん収まり、頭上には満天の星空。翌朝にシャックを後にする KEZ に 7MHz を任せ、DEA は三脚を持って夜のアンテナファームの撮影、クッキリと空に浮かぶオリオン座や北斗七星を楽しんだ。
 西海岸もすっかり夜が明けてしまった 0200JST 頃まで 7MHz で電波を出したが、呼んで来る「お客さん」も極めてマバラになった。まだ CQ を出せば、眠くなった頃に呼ばれるのだろうが、翌日の運用を考慮し、7MHz で 320-QSOs に至ったところで割り切って営業終了とした。まぁ、この辺りが YPA が「勝てない」要因ではないかという指摘もあるようだが・・・。


【寒い夜~2日目(日曜日)】
 昨年の ARRL-CW は眠れないほど寒かった。今年も夜の寒さは負けてない。昼間は多少ぬかるんでいた地面も、もはや凍り付いて固くなっていた。土曜日の健闘(?)をお互いに讃え合い、屋外で程良く冷えた PMQ 差し入れの「ハイオクガソリン」で乾杯。『明朝は 0600 にはオープンする!』との VSE の予言を基に、翌朝の作戦を話し込んで一旦休憩。DEA は湯たんぽや寝袋を持ち込んだが、今年は一晩ストーブを焚いたので、むしろ暑いほどだった。
 2日目(日曜日)は、0500過ぎから VSE, RCP, KEZ と次々にオペレートの前線に出陣しているようだったが、DEA はガザゴソと出陣していく同志をよそに、更に1時間ばかり夢の中でコンテストに参加していた・・・ムニャムニャ。
 VSE の予想どおり、0600 を過ぎた頃から 14MHz が本格的にオープン。06時台は 時速112局、そして 07時台は時速130局と今回のコンテストで時間最大局数を稼ぎ、この朝だけで 470-QSOs を重ねた。
 21MHz はリグの不調もあり、この朝はスタートが遅れたが、W4(GA) や W8(OH) などを確実にゲット! また、KEZ は7MHz で JA 夜明けのグレイラインを使った南回りのパスで、K1AR(MA), AA1K(DE), K2Z(NJ) などと QSO。バンドエッジで CQ を出していた VY2ZM(PEI) を何度か呼んでいたが、QSO には至らぬまま陽が昇り、信号が消えていった。この日の朝は 7/14/21MHz で局数を重ねて10時台でトータル 1000-QSOs を越え、昨年を上回るペース。
 この日は前日の強風がウソのように静かな空気で、青空が拡がる日曜日。KEZ は 0800 にシャックを離れ、入れ替わりに IQC が到着した。早速 IQC が 14MHz でオペレート、使い慣れない CT と少々苦闘しながら局数を伸ばす。
 21MHz は既に沈んでいたので、それなりにリラックスの時間ができた。プチBBQ 開催を提案した VSE が、注文をとって買い出しに出かけた。RCP とDEA は BBQ に備えて火を起こす。と、IQC から設備不調の申し出。思いつく範囲であれこれ調べたが、よくわからない。PEJ に電話してアドバイスを求め、いくつかのポイントをチェックして何とか復旧。その頃には 14MHz もコンディションが沈み、火の加減もイイ具合。束の間の空き時間に、VSE が仕入れてきた黒和牛の霜降りやピーマンを炙りながら4人でプチBBQ。この日車で帰る IQC には悪かったが、残りの3人は「ハイオクガソリン」で英気を養った。
 1400 を回る頃から IQC が 7MHz に QRV。将来に期待すべく、YPA の設備で経験をジックリ積んで貰う。陽が高いので2時間で 50-QSOs とペースは遅いが、早い時間から聞こえるWの信号に感激しつつ、着実に局数を重ねていった。IQC は 1630 にシャックを離れ、RCP が 7MHz を引き継いだが、ペースは相変わらず 50-QSOs/2h。
 サボっていた DEA がこの後のローテーションを考案、残った VSE, RCP, DEA で2時間毎に「7MHz -> 3.5MHz -> フリー」をローテーションしようというもの。3人で談合し 1800 から DEA が 7MHz、RCP が 3.5MHz で2時間ローテーションを始めた。7MHz は東海岸の VT と RI のニューマルチをゲット、3.5MHz でも東海岸の定番 K3LR との QSO で、PA のニューマルチを得た。3.5MHz は呼びに回ればそこそこ飛んでいる実感はあるが、CQ を出しても思ったほど呼ばれないし、7MHz へのカブりもある。そこで 3.5MHz では、7MHz で東海岸~中東部の局が呼んでくる時間帯には呼びに回り、安定した信号の W5,6,7,0 が残る 2200 以降に CQ を出すことにした。これが奏功したのか(わからないが)2100台の7MHz では、W1,2,3,4,8 から途切れることなく呼ばれ、65-QSOs とコンテスト中、7MHz の時間最大 QSO を記録した。その後 CQ 攻勢に出た 3.5MHz ではバンドが沈むまでに 50-QSOs 近い局数を重ねて 140-QSOs を突破、深夜まで運用した 7MHz と合わせてトータル 1500-QSOs を越え、昨年の QSO 数を更新した。

【最終日(月曜日)】
 最後の朝の冷え込みは幾分緩み、外は雨になった。VSE-14MHz, RCP-21MHz そして DEA は 7MHz と後片づけの分担にする。前日の朝、南回りの 7MHz で QSO できなかった VY2ZM は今朝もバンドエッジでヨーロッパをさばいているが、コンテストも終盤になると呼ばれ方も疎ら。空振り CQ に何度かコールしたら、あっけなく QSO でき、PEI のニューマルチを獲得した。VSE はトップギアで 14MHz を爆走、最後の朝で 290-QSOs を積み上げた。RCP も 21MHz を地道にワッチ、最後の1時間で 30-QSOs を上乗せしてタイムアウト! 結局 1843-QSOs, 145-STATEs でコンテストを終えた。
 いつもなら、クラブ会長の PEJ がメインになって後かたづけをするが、今回は残った3人でシャックの撤収。事前に PEJ からレクチャーを受けたとおり、順番に火を落としていく。3人で最後の確認をし、週末48時間の隠遁生活に幕を下ろした。

 

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