ARRL Inter. DX Contest, CW 

2008/2/16  - 18 
Operators JA1PEJ,JR8VSE,JF6DEA,7K1PTT Multi-op  Multi-TX

 

2008 ARRL Int.DX-CW  M/M
Band  QSO       States
160m 15 7
80m 75 15
40m 549 46 160m 80m 40m 20m 15m 10m
20m 775 54        
15m 27 8
10m 0 0
Total 1441 130
Points 561,990  QSO/Time QSO Acc.        
 
     
      JF6DEA 40m JR8VSE 7K1PTT JF6DEA 40m VSE,DEA PEJ,DEA,VSE

 

<久しぶりにM/M部門に参加>

コンディション低迷時期で参加者もいまいちの状況からすると、M2はおろかM/Sでも良さそうな状況だが、カラ元気でもなんでも元気があれば良し!ということで、敢えてM/M部門に参加した。皆さんCWのベテランばかりだったが、あいにくのコンディションに暇を持て余すコンテストだった。運用は朝方の14メガと夕方の7メガでの運用がほとんどで、VSE佐々木さんとDEA木下さんが手分けして運用した。7メガや14からのかぶりがひどくほかのバンドでは同時運用が厳しく、MM部門への参加でも3台の送信機が動くことは無かった。最近本格的な運用をしていないうちに、なぜかかぶり状況がひどくなってしまったようだ。

 

<取り敢えず結果は、、、。>

各バンドのログを集計しただけの結果ではあるが、何とか昨年の成績は超えることができた。自分では昨年よりは手ごたえがあったように感じたが、結果的にはほぼ同じ結果に終わった。

 

<新たな課題>

7メガと14メガはほぼ満足のいく飛び具合になってきたが、それに伴い他へのカブリがひどくなりマルチ運用が難しかった。バンドごとの状況が違うような感じもあるので、それぞれの原因を調査したうえで対策の検討が必要だろうと思う。3.5メガは飛ばないようなことは少なかったが、どうも聞こえ方が良くないようだとの意見がある。 如何なものか。

(記:JA1PEJ中村)

 

2008 ARRL-CW 参戦記 

JF6DEA/KE1EO:木下司朗

  この読み物は、アマチュア無線家の皆さんが読まれることを前提に、人名は初出のみコールサインと苗字とし、以降はサフィックスで表記します。また、アマチュア無線界で通常使われる言葉は、そのまま表記しました。

 

【参加メンバー】

 200821618日の週末に開催された ARRL-CW contest JA1YPA から今回初めて参加させていただきました。多くの QSO は期待できない太陽活動低迷のこの時期、集まったメンバーは JA1PEJ:中村オーナーと、コンテスト歴戦の勇士 JR8VSE:佐々木さん、CQ 誌上でお馴染み・地元の 7L1PTT:芳岡さんと、私の4名です。このうち PTT は土曜日の夜まで、他の3人は月曜日の朝までオペレーティング可能でした。

 

 私 (DEA) は九州・福岡の出身です。20077月から単身赴任で東京勤務になりました。「誘惑」の多い東京住まいなので、何もしないと「誘惑の罠(何の?)」に嵌ってしまいそう・・・。コンテストはタイ (HS) での勤務中 (20012004) 2002 CQ WW SSB XU7ACD から SOSB LP 10m QRV したのが最後。ここ数年遠ざかっていたので、マトモなオペレートも「賞味期限切れ(?)」、恥をかくことも顧みずコンテストに出たいばかりに今回のコンテスト参加をオーナーに請願しました。

 

【参加部門】

 少人数ながら退屈な時間を排除すべく、有力なライバル局も思いつかないことから M/M で参加することになりました。

 

【1日目(土曜日)】

 15:00頃に PTT と、雪が少しばかり残るシャックに到着。20m は既に「店じまい」で QSO 150+、VSE は既に 40m で運用を始めています。関東以北の皆さんは奇異に思われるかもしれませんが、九州では 40m のWは早くても 17JST 頃から。1,7,8 15:00 頃からやっているWのご本尊はカスりもしないのです。関東に来て、九州に比べると感覚的に1時間早い日暮れに戸惑い、早い時間からローバンドでWができることが納得できました。加えて YPA 40m はフルサイズの 4el、九州からは聞こえない時間帯のWの信号が聞けるだろうと、早くも期待モードです。VSE からバトンタッチを受けて 40m の運用開始。さすが 4el、さすが関東、九州の 40m とは全然違います。やや苦手とする CW ですが、呼んでくるWはパラパラだったので、何とかログイン。九州の JE6ZIH で使っていた CT も久しぶりに触るので勝手がわからず、運用中に VSE にいろいろと聞く始末。暫く 40m をやって、東海岸のショートパスがオープンする頃に PTT にバトンタッチして、局数・マルチを重ねました。

 

 PTT がお帰りの後は PEJ, VSE, DEA の3人で 40m, 80m, 160m を運用。主力は 40m でランニング、80m は電波を出すと 40m にカブるので呼びに回ります。160m はバンド幅も狭く、オープンの時間が限られるので適当にワッチし、聞こえたところとは QSO80m ではバンドエッジで W3LPL, 少し上で K3LR が西海岸に混じって CQ を出していましたが、信号が弱く、呼んでいる JA QRZ も返していませんでした。下の2つのバンドでは CQ 出しても余り呼ばれず、結局1日目は十数局との QSO に終わりました。40m は東海岸まで快調に飛んでおり、東海岸の常連 KC1XX, K3LR, W3LPL, NQ4I などとお互いに漏らすことなく QSO していきます。昔から高いアクティビティを保っているこれらの局に対しては、無意識のうちに Super Check Partial が動作。今回は「相手」の現地時間が判るように、DEA \100 ショップで目覚まし時計を4つ買ってきて、それぞれアメリカの東部標準時 (EST:W1,2,3,4), 中部標準時 (CST:W5,8,9), 山岳標準時 (MST:W7,0) それに太平洋標準時 (PST:W6,7) に合わせたので、各地の時刻がだいたい判ります。VSE からバトンを引き継ぎ、足元が冷える中をこの日は 02JST (W6 09PST) まで 40m を運用して初日終了。この晩だけで QSO 400 、W本土では 40 近くのマルチをゲットしました。

 

【寒い夜~2日目(日曜日)】

 2日目朝の運用に備えて毛布にくるまったのはいいが、とにかく寒い。体が温まらず眠れません。九州のコンテストでは寒くても知れているので、こんなに寒い思いは初めてでした。15m のオープンへの期待や、翌日の作戦などを考えつつウツラウツラしたら、もうアラームの時間。ちょうど体が暖まった頃なのにぃ~。もう少しと暖かな毛布に後ろ髪を引かれながらゴソゴソと起き出し、霜柱を踏んでシャックへ行くと、VSE が既に 20m をやっていました。西海岸では昼過ぎのこの時間、オープンにはまだ早い時間なのですが、強い局は聞こえています。一足遅く起きてきた PEJ には、40m のアンテナを南に振ってロングパスで東海岸の残りマルチを探して貰い、日の出までに数局 QSO できました。朝食摂って歯を磨いて、VSE 20m を交替、2日目の昼頃までにトータル 1,000 QSO を目指します。

 

 「ポツポツ呼んできますよ」との VSE の引継コメントのとおり、Wの西から東まで満遍なく呼んできます。暫くマジメに CW をやってなかったので、数局一遍に呼ばれるとパニクってしまうのが目に見えていたのですが、幸いダンゴが数局というのは殆ど無く、強い局がガツ~ンと呼んでくるか、弱い局が1局で呼んでくるかのパターンでした。それでもまとまって呼ばれる時もあり、クラスターに載ったのだろうなぁと思いつつ、呼んできた局と確実に QSO を重ねていきます。この時間、Wサイドでは東方向のヨーロッパから西方向にコンディションが移っていく時間。遅くまで聞こえるヨーロッパ向けのビームの外れから、それなりの電波を送り込まなければなりません。周波数が良かったのか QSO 数を重ねると共に、最も面積が狭い W1 RI, 東海岸でも人口が少ない W3 DE, W8 で最も東よりの WV, 何故か呼んでこなかった W4 SC, アメリカの州で最も人口密度が低い W7 WY など QSO できなかったマルチが少しずつ埋まっていきました。VSE 15m をワッチ、コンディションは良くなく西海岸~W5と十数局の QSO に留まった模様。20m QSO 500 を超え、この時間で 40m を追い越したものの、トータル QSO 1,000 に届きませんでした。

 

 午後の 40m までちょっとひと休み。天気も上々、コンテストでなければ、バーベキューでもするには絶好のコンディション? この幕間を利用してお互いに自己紹介、また発電機やアンテナファームの点検に行き、午後のローバンドに備えます。昨日の調子だったら 300 QSO 程度は期待できるので、月曜朝の 20m までやればトータル QSO 1,500 を超えるだろうなぁ・・・と捕ってもいない狸ログを3人でアレコレと皮算用していました。

 

 13JST を過ぎて VSE 40m のワッチを開始。西海岸では 20PST なので、本格的なオープンにはまだ早いものの、聞こえるところとは QSO を重ねていきます。前の晩、満足に眠れなかった DEA はこの暖かい時間に睡眠を取るべく3時間ほど横になり、PEJ は携帯電話で TELNET にアクセスして各バンドの CT 画面上にクラスター情報が上がるようにシステムの改善を図りました。

 

 17JST、少し早めの夕食を摂って VSE 40m の運用を交替。東海岸では 03EST なので、そろそろ真剣に西方向を聞いてくれる時間です。五月蠅いほど聞こえる西海岸 W6,7 のスーパーステーションの合間を縫って CQ を出すものの、前日のような信号は返ってきません。少しばかり覚えた FT-920 の機能をフルに活用して CQ の合間に S&P で前日の取りこぼしを下から順に呼びに回ります。しかしながら東海岸の信号は殆ど聞こえず、QSO できるところは CA, WA, OR, AZ, TX などの「常連」ばかり。皮肉なことに WW では JA のドテパイルになる 6Y PJ2, ZF などカリブからの CQ が良く聞こえていましたが、彼らもお客さんが居ない模様。とても前日のような呼ばれ方は期待できません。40m へのカブリを覚悟で QSO が少ない 80m CQ を出し、局数を上乗せする作戦としました。バンド中でカブる 80m での CQ のタイミングを見計らって、40m でも CQ を出したり呼びに回ったりしましたが、局数が伸びず時間ばかり経っていきます。80m も思ったほど局数が稼げないまま西海岸の夜明けを迎えてしまい、この日のローバンドの営業を終えました。

 

【早めの反省会(?)~最終日(日曜日)】

 前日寒かったのでこの日の夜はストーブが登場。「ビールでも飲みましょうか?」と誰かが残していった缶を PEJ が出して、VSE と3人で乾杯しスモールミーティング。コンテスト界の将来展望を3人で放談しました。あぁ今回は珍しく飲酒運用しなかったのだなぁ~と実感しつつ、この夜は暖かい空間で十分な睡眠が取れました。

 

 月曜日の夜明け、週末を過ごした人々は仕事や学校での新たな1週間が始まります。そんな俗世間から隔離されたシャックでは、20m のオープンに備えて VSE が配置につきました。VSE 20m を走って貰い、ロングパスの 40m は前日同様 PEJ が、15m DEA がワッチします。07JST には 20m がかなり広範囲にオープン、取り漏らしていたWのマルチも DC を残して全て埋まり、VSE の快走が続きます。15m では W6,7 など太平洋岸のビッグガンがチョロチョロ聞こえ、CQ を出している JA の局も聞かれますが、オープンの度合いはイマイチ。VSE は最後の2時間、20m を時速 100局++で走って 24z の「ノーサイド」。CW 漬けの 48時間が終わりました。

 

 結果は CT ベースで昨年を僅かに上回る 1441 QSO40/20m はそれなりでしたが、80m はイマイチ、15/10m はコンディションが悪かったので、局数が少ないのは仕方なかったようです。80m は、コンテスト終了後に送信信号が不安定だったというリポートを戴いたので、あるいはアンテナが正常でなかったのかもしれません。久しぶりに ARRL DX に出ましたが、一昔前(確実に覚えているのは 1988年に JA9YBA から ARRL-SSB に出た時が最後か?)に比べると、1x2 または 2x1 のコールサインが増えている感じ、弱い信号で呼んでくる 2x3 の長~いコールサインで苦労することは少なかったようで、これは VSE も同じ意見でした。Vanity Call 制度の「お陰」でしょうか? また、VSE VE の局が少なくなった感じだとコメントしていました。コンセントを抜き、発電機を落としてシャックの閉店作業を終え、みんなで「お疲れさま~」。これで 2008年の ARRL-CW はおしまいです。次は SSB ・・・かな?

< 投稿原文のまま掲載:JA1PEJ(中村) 


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